高校生になると、周りには付き合っているカップルがたくさんいた。
私も人並みに告白されて付き合ったり、自分から告白して付き合ったりもしたが、 その中身は今から思えばおかしなものである。 好きで付き合ったはずなのに、 手をつないで歩いたり、肩を寄せ合って座ったり・・・ そういうことを楽しいと思えなかった。 それどころか、好きな人がエッチなことを考えたり、 実際にセックスしている姿を想像すると気持ちが悪かった。 ある意味、好きな人は私の理想の中で綺麗なままでいなくてはならなくて、 動物的な姿を見ると一気に熱が冷めてしまうのである。 私にとってセックスとは、とても醜く恥ずかしいことだという感覚だった。 でもその一方で、酒を飲んでは好きでもない男とのセックスを繰り返していた。 最初は拒んでいても、しつこく誘えば大抵は手を出してくる。 その、夢中で餌にかぶりついている犬のような男たちの姿を見るたびに、 なんともいえない征服感だったり、 しょせん男なんてくだらない生き物だと侮辱する気持ちを味わっていた。 世の中には誰も自分の味方などいない。 弱い者は負ける。 人間は裏切る生き物だ。 みんないつかはいなくなる。 卒業を目前にして、 「いつまでもずっと友達でいようね」 なんて言う女友達を心の中で笑っていた。 一生友達なんてあるわけないじゃん。。。 ⇒「うつ病主婦の父親」へつづく |
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